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2017.12.01 トピックス

当院における早発卵巣不全不妊患者様の妊娠率:第62回日本医学会での報告よりー

当院における早発卵巣不全不妊患者様の妊娠率:第62回日本医学会での報告より―
―早発卵巣不全不妊患者さんの20%以上が当院の治療で妊娠・分娩に至る―

11月16-17日に山口県で開催された日本生殖医学会において当院の早発卵巣不全による不妊患者様の不妊治療の成績について発表いたしました。

今回まとめたののは2015年に当院の方法による排卵誘発を開始した患者様の成績です。
これらの患者様は何れも当院受診時無月経1年以上の方で、他の不妊施設でお子さんをあきらめるよう言われた方です。
2015年に排卵誘発を開始し2017年5月まで当院で追跡可能であった62名の本年9月時点の結果をまとめましたが、採卵に至った方が39名(62症例中39名、62.9%)、受精に至った方が32名(60症例中32名、53.3% 、2例は卵子凍結)、凍結胚が得られた方が29名(60名中29名、48.3% )でした。この62名の患者様のうち29名の方より80個の凍結胚を得ております。

62名中これまで16名の方で17妊娠が得られています。そのうち10例がすでに正期産(未熟児でない分娩、帝王切開含む)に至っており、4例は残念ながら流産、3名の方は現在まだ妊娠中です。
また、まだ胚移植を一度も行っていない方の10例分19個の胚(受精卵)を現在凍結保存中です。

今回の対象となった62名の方のうち凍結胚が獲得できた方の平均無月経期間(最終自然月経がはじまった時より当院受診までの期間)は3.0±0.4年、凍結胚の得られなかった方では5.9±1.0年でした。
当院の排卵誘発法、GnRH agonintと呼ばれる点鼻薬を使いながら、hMGまたはrecFSHと呼ばれる排卵誘発剤を打ち続ける患者様にとっては負担の大きい治療法です。
我々の別の統計によりますと、この排卵誘発法で一年半以内に卵胞発育が認められない場合には妊娠率は非常に低くなることが確認されています。

今回発表した成績をまとめますと、我々の卵巣期の不全に対する排卵誘発―対外受精―胚移植法を用いた場合2年間、辛抱強く通っていただければ、28%、すなわち4人に1人以上の方がご自分の卵で赤ちゃんを産めるということが確認されました。

今回のデータは当院にいらっしゃった時点で一年以上無月経だった方に限ったデータです。一年以内の無月経期間の方に対しては少し違った誘発法を用います。その場合の成績は一般不妊治療全般都ほぼ変らない妊娠率となっています。
無月経一年以上になってからだと数年にわたる厳しい治療が必要となりますが。来院が早いほど、また来院時の年齢が若いほど治療は楽で、成功率も高い傾向が見られます。

無月経の方はもちろんですが、月経不順の方でも、FSH,LH値が高い又はAMH値が低いと言われたら、出来るだけ早く当院を受診していただくようお願いいたします。結婚前の方でも同様です。
すぐにお子さんを作る予定でない方には将来の妊娠の可能性を残す方法についてご相談致します。

院長 石塚