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2020.01.20トピックス

学会発表のご報告

学会発表のご報告 

先日より皆様のご参考になりますよう、学会発表の内容を
要約してお届けしております。参考にしていただけましたら幸いです

 2019年生殖医学会において当院より以下の発表を行いました。
 早発卵巣不全患者の卵子は老化しているのか?


~妊娠成績からの考察~

早発卵巣不全(POI・早発閉経)になったばかり、または成りかけている方々の、年齢別妊娠成績

世界的にも価値の高い、同一施設での早発卵巣不全(POI)・卵巣予備能減少(DOR)症例の流産率

当院の膨大な採卵成績から得られた、卵子数減少と卵子の質低下(老化)の関係に対する知見、につき報告しました。

 1  AMH0.16ng/ml未満(卵巣年齢50歳相当)、当院独自の治療を行い、10周期あたり3周期以上で卵胞発育が得られた、2015年に初診となった41歳未満の48名を対象としています。つまり卵子はほぼ残っていないが、当院の治療にかろうじて反応する方々です。

その方々を対象に、年齢別の対症例当たりの累積臨床妊娠率(治療に挑戦した方々の内、最終的に胎嚢が確認できる妊娠まで到達された方の割合)を調べました。

結果は、初診時年齢35歳未満で83%、35-39歳62%、40歳60%、全体67%でした。
全体の約30%の方は妊娠に到達しませんでした。

その要因を分析すると、精子不良、女性の加齢(35歳以上)、といった因子が浮かんできました。これらは通常の不妊症においても妊娠率の低下要因となりますが、多数の卵子を獲得することで、低下をカバーすることができます。一方、卵子数が減少した方においては、卵子の獲得数が少ないがために、カバーしきれない状態にあったと考えられます。卵子数が多い時期に、如何に早く治療を開始することが、妊娠にとって大切であるかを示しています。

 2 「卵子数が減少し卵巣年齢が上昇すると、卵子も老化してしまい、流産率(40歳以上で上昇)の上昇が顕著となるのではないか?妊娠してもほぼ流産してしまうのではないか?」との疑問が、専門家内でも以前より繰り広げられてきました。海外の治療ガイドラインには、「POIで妊娠することはほぼ不可能なので不妊治療は推奨しない」、と明記されており、正確な流産率については、ガイドライン上、議論もされていない状態にあります。それに反し当院では、卵子が減少した方々の妊娠実績が豊富にある状態です。妊娠数が多くなければ正確な流産率は解析できません。当院は、世界で唯一、POI・DORの流産率を算出できる施設であると自負しています。

対象は、2014年から2016年に初診となった、AMH 1.0ng/ml未満(卵巣年齢44歳以上)のPOI・DOR症例における、延べ138回の臨床妊娠について解析しました。症例の内訳は、AMH 0.16 ng/ml未満(卵巣年齢50歳相当)74%、AMH 1.0~0.16 ng/ml 26%です。

流産率は、妊娠卵の年齢35歳未満で9.6%(5/52回)、35-39歳 25%(16/63回)、40-43歳 26%(6/23回)でした。この数字は、日本全体の体外受精時の流産率と同程度以下の数字でした。

この結果より、少なくとも言えるのは、卵子数が減少しても、流産率は同年齢の方と同程度であるということです。すなわち、妊娠卵に関しては、卵子の老化は見られないということが分かりました。安心して妊娠に臨んで頂けるかと思います。

 3  2014年~2019年に得られたPOI・DORの方の卵子2259個に関し、体外受精の成績を解析しました。その結果、加齢とともに上昇する因子である、異常受精(3前核)比率が顕著に高いことが分かりました。35歳未満の卵子であるにも関わらず、卵巣機能年齢相当にある40歳以上の方々と同程度の出現率でした。

このデータより、POI・DORの方は、少なくとも受精現象に関し、卵巣内における老化卵(質の低下した卵)の含有率が高いと考えられます。詳細は割愛しますが、その他の指標でも同様の傾向が見られます。

よって、POI・DORの方は、卵巣機能正常な同年齢の方より、卵胞1個あたりの妊娠率が低くなっている可能性があります。妊娠するためには、卵胞発育頻度を上昇させ、多数の卵子で勝負することができるか否かが、大きな分かれ道となります。

当院には、POI・DORの方に対する豊富な治療実績に基づいた、多数の治療法の引き出しがあり、卵子残存数に応じた治療を用意しております。ぜひ一度、ご相談ください。