2025.01.03 不妊治療コラム
【POI】早発卵巣不全とは?気になる症状や治療法をQ&A
こんにちは、ローズレディースクリニックです。
皆さんは早発卵巣不全という症状をご存知でしょうか?
早発卵巣不全(POI:Premature Ovarian insaficiency)とは、女性のうち40歳未満という早期に月経がなくなってしまうことを言います。
女性はお母さんのお腹の中にいる時にすでに卵子の元となる「卵母細胞」を約100万〜200万個持っています。
卵母細胞は年齢とともに減っていき、そして一般的には50歳前後で1000〜2000個に減ると閉経を迎えます。
ですが、早発卵巣不全の方は卵巣内に残っている卵子も少なくなっているため、体内で女性ホルモンを分泌する能力が衰えており、排卵がうまく行われません。
一般的には妊娠することがとても難しいとも言われています。
今回は当院にて患者様からいただいた質問にお答えしながら、早発卵巣不全の原因や症状、治療法についてお話しします。
Q, 早発卵巣不全と診断を受けました。原因はなんでしょうか?
A, 早発卵巣不全と診断がつく人の 10〜15%には染色体異常が見られます。
80%以上の方は何らかの遺伝的な異常があるために発症し、原因となる遺伝子も50個以上は分かっています。その他では、自己免疫が原因と考えられる方が3割ほどいます。また、過去に卵巣の手術や抗がん剤治療などを受けられていると原因の一つと考えられます。
Q, 早発卵巣不全になるとどんな症状がありますか?
A, まず、月経不順が起こり無月経となります。
その間に閉経前にも顔がほてったり赤くなるホットフラッシュという症状が見られます。
そして治療の難しい不妊症となります。
早発卵巣不全の治療をせずにいると、女性ホルモンが低下した状態が続くと、骨や心臓、肌などに影響をきたします。
Q, 親族に早発卵巣不全の人がいます。遺伝しますでしょうか?
A, ご親族に早発卵巣不全の方がいる場合、10~20%の方に親戚に早発卵巣不全の方がいます。
早発卵巣不全は遺伝的な異常があるため発症する可能性があります。
Q, 早発卵巣不全の検査はどんなことをしますか?
A, 検査は主に血液検査で行います。
まず、卵胞刺激ホルモン(FSH)というホルモンの血中の濃度がどのくらい高くなっているのかを測り、そして抗ミュラー管ホルモン(AMH)というホルモンがどのくらい減っているのかを測ります。
その二つを組み合わせて早発卵巣不全かどうかと、その程度を診断をします。
比較的簡単に調べることができるので、気になる方はお早めに検査をしてください。
Q, 早発卵巣不全には治療方法はありますか?早発卵巣不全でも妊娠できますか?
A,女性ホルモン不足の状態が続くと健康上のリスクがたくさん伴うため一般的にはホルモン補充療法が必須です。
具体的には以下の2つを組み合わせて投与していきます。
・エストロゲン(女性ホルモン)
・プロゲステロン(黄体ホルモン)
また、お子さんを望まれる方には並行して不妊治療を行います。
以前は早発卵巣不全になると妊娠不可能だというのが常識的でしたが私どもの研究結果、かなりの方で妊娠が可能であるということが分かりました。
できるだけ早く受診していただくことで不妊治療も可能ですので、気になる方はお早めに受診してください。
Q, 早発卵巣不全の妊娠率はどのくらいですか?
A,35歳〜40歳未満で受診された方の4割近くが5年以内に赤ちゃんを授かっています。
ただし、無月経の状態が続くと妊娠率は下がっていきます。
なるべく早めに検査の上、治療をはじめられるのが良いでしょう。
Q, 病院での治療以外に何かできることはありますか?
A,漢方やサプリで症状を和らげることはできます。
しかし、根本的な改善を求めるにはホルモン補充などが良い可能性があります。
また、喫煙をしている方は卵巣機能を低下させる原因となりますので、お控えすることをお勧めします。
当院では早発卵巣不全の患者様の一生の健康をサポートすることを使命と考えています。
また、心の健康も考え一流のカウンセラーによるカウンセリングを含め、不妊治療が終了したあとも女性の一生のサポートをしていきます。
早発卵巣不全は血液検査で女性ホルモン値の結果から診断ができます。
そしてホルモン補充を中心に漢方やピル、サプリメントなどで治療、健康維持を行います。
数ヶ月生理が来なかったり、いつもと違うほてりを感じた等、少しでも「おかしいな?」と
気付いた時にはお早めの受診をお勧めします!