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2019.03.12 トピックス

早発卵巣不全の患者様への不妊診療による第2子妊娠例

私共ローズレディースクリニックにおける不妊治療の大きな特徴はこれまで不可能と言われた早発卵巣不全(POI)に対する治療に挑戦してきたことです。その結果、すでに報告しておりますように初診時40歳未満のPOIの方では20%の妊娠-分娩率を得るに至っています。

今回は更にPOIの診断を受けてから不妊治療を開始し、二人目の妊娠に至る方が昨年10人以上いらっしゃいましたのでご報告いたします。

POIの診断がつきますとかつて(少なくとも10年前までは)ご自分の卵を使って妊娠することは諦めるのが常識でした。我々の行っているPOIに対する不妊治療をローズ法とよんでいます。これにより、かなりの妊娠率が見込めるようになりました。

ローズ法の根本は卵の発育には数ヶ月単位の時間がかかるため、ゆっくりと時間をかけて卵を育てること、卵の質が悪く体外での胚発育がうまく行かないことが多いため、初期胚凍結をして胚移植の方法を工夫し妊娠率を上げることを心がけている点です。

POIでは卵が取れる期間には限りがあります。卵巣機能が通常の方より早く衰退していくので、できるだけ取れるうちに受精卵を取っておいて貯卵(受精卵を凍結して取っておく)を心掛けます。もちろん一つしかない凍結胚をその患者様の年齢やその他の状況に応じて早く移植することも考えます。

また、最近このローズ法のもう一つのメリットが明らかになりました。それがこれまで不可能と言われていたPOIの不妊治療でお二人目の妊娠です。

私共のローズ法による不妊治療では受精卵が取れるうちはできるだけ凍結して取って置くのを原則としています。一般の不妊治療における体外受精より取れた卵の着床率が悪いからです。初期胚凍結によっても移植法の工夫によりかつてより高い着床率が得らようになったため、このように二人目の妊娠が可能になりました。

POIの患者様でも一般の不妊患者様よりも多くの赤ちゃんが得られることも不可能ではありません。言うまでもなく卵巣機能が低下しはじめてから、できるだけ早く治療を開始するほど治療は通う手間や経済的負担も軽く済みます。

早発卵巣不全(POI)と言われた方、不妊でFSH 値が通常の11mIU/mL1を超えている方、抗ミュラー管ホルモン(AMH)値が通常より低い方はぜひ早めに当院を受診されることをおすすめします。

院長 石塚文平