何となく「おりもの」が気になる、陰部にできものができた、パートナーが性感染症と診断された など、不安に思うことはありませんか？
症状がなくても、性感染症に罹っていることがあります。
感染に気づいたときにはすでに多くの人に伝染していることも考えられます。
性感染症とは
性感染症は、「STD（「Sexually Transmitted Diseases」の頭文字）」または「STI（「Sexually Transmitted Infections」の頭文字）」という名称で呼ばれるようになりました。
性感染症とは、性行為（性器～性器、性器～口腔、性器～直腸）によって感染する疾患の総称です。
原因になる細菌やウイルスによって、症状や治療法は異なりますが、多くの場合、男性に比べて女性の自覚症状は弱く、気が付かれないことも多いのです。その結果、知らない間に炎症が進行し、感染が拡大したり、将来不妊の原因になったりします。
性感染症の種類と症状
性感染症の症状と種類は、以下のようなものがあります。
少しでも、ご不安な気持ちがあったり、いつもと違う症状があったら、遠慮なさらずにご相談にいらしてください。
症状と種類一覧
| 性器の症状 | 梅毒 | しこり、ただれ (痛みかゆみなし) |
| 淋菌感染症（淋病） | おりもの、不正出血 | |
| 性器クラミジア感染症 | おりもの、不正出血 | |
| 性器ヘルペス | 不快感、かゆみ、痛み、水疱、びらん | |
| 尖圭コンジローマ | 性器や肛門にカリフラワー状のいぼ・できもの | |
| トリコモナス感染症 | おりもの増加・臭い、かゆみ | |
| 性器カンジタ | 外陰部のかゆみ・発疹、おりもの増加（白、ヨーグルト状、かたまり）、性交痛 | |
| 口腔内の症状 | 梅毒 | ただれ |
| 淋菌感染症（淋病） | 喉の違和感、無症状 | |
| 性器ヘルペス | 水疱、びらん | |
| 梅毒 | 喉のただれ | |
| 皮膚の症状 | 梅毒 | 手のひら、足の裏、全身に発疹 |
| その他の症状 | 梅毒 | リンパ節のはれ、視力低下、心臓・血管の病気、神経麻痺、認知症 |
| 淋菌感染症（淋病） | 自覚症状が出にくい | |
| 性器ヘルペス | 発熱、リンパ節のはれ | |
| B型肝炎 | 急性肝炎（発熱、だるさ、黄疸）、慢性肝炎 | |
| A型肝炎 | だるさ、発熱、吐き気、嘔吐、黄疸 | |
| アメーバ赤痢 | 腸炎：下痢、血便（イチゴゼリー状）、しぶり腹・腹痛 肝膿瘍：発熱、吐き気、嘔吐 | |
| HIV感染症 | 発熱、咽頭痛、筋肉痛などインフルエンザのような症状 |
上記以外にも、C型肝炎、成人T細胞白血病など、性行為が原因で移ってしまう病気があります。
性感染症の検査・診断と治療
検査・診断
性感染症は、問診（自覚症状やパートナーの人数、ご職業など）の他に、陰部に目に見える病変がないか（視診）、リンパ節の腫脹や腹痛、圧痛がないか（内診や触診）などを診察し、帯下や頸管粘液の培養検査、病変の一部を取り顕微鏡で観察する病理検査、採血などを行って診断します。
| 疾患名 | 検 査 |
|---|---|
| 性器クラミジア感染症 |
※過去に感染した人も陽性になる場合があります。 |
| 淋菌感染症 |
※過去に感染した人も陽性になる場合があります。 |
| 尖圭コンジローマ |
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| 性器ヘルペス |
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| 梅毒 |
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| トリコモナス感染症 |
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治療
性感染症の検査・診断と治療は、疾患によって下記のように異なります。
| 疾患名 | 治 療 |
|---|---|
| 性器クラミジア感染症 |
|
| 淋菌感染症 |
|
| 尖圭コンジローマ |
|
| 性器ヘルペス |
|
| 梅毒 |
|
| トリコモナス感染症 |
|
治療後は、診察や培養検査、採血などで、完治したか確認することがあります。 性感染症の特徴として、ご本人とパートナー、双方の治療が行われないと、再感染を起こしてしまうことがありますので、どちらかが診断された場合は必ずお互いに受診をし、適切な治療を受けるようにしましょう。
性感染症は、不妊の原因や妊娠中の場合、早期流産をしてしまう可能性につながります。
少しでもご不安なことがございましたら、どうぞ、遠慮なさらずに早めにご受診ください。