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2024.12.24 不妊治療コラム

【培養室より】AMHが低いと諦めないといけないの?~高感度AMH値測定について~

こんにちは、ローズレディースクリニックの培養部です。

2024年11月に名古屋で開催された生殖医学会で、当院が取り組んでいる「高感度AMH値測定」に関する研究発表を行いました。
今回はその内容をご紹介します。

☆抗ミュラー管ホルモン(AMH)とは?
AMHは、卵巣内で発育途中の卵胞から分泌されるホルモンで、卵巣に残っている卵胞数(卵巣予備能)を推測するための指標の一つです。
卵巣内の卵胞が少なくなると卵胞の発育が停滞しAMHが分泌されず、値が低くなります。 ただし、AMHは卵巣の状態を示す目安であり、胚の質や妊娠の可能性を直接示すものではありません。
AMHを測定した結果が低い場合「もう卵子が残っていないのでは…」「採卵できても質の良い卵子が得られないのでは…」と不安を感じる方もいらっしゃると思います。しかし、AMH値が低いからといって必ずしも妊娠を諦める必要があるわけではありません。

☆当院で行う「高感度AMH検査」について
当院では、一般的なAMH検査で測定可能な下限値(0.02ng/ml)をさらに下回る【0.004ng/ml】まで測定できる「高感度AMH検査」を導入しています。
この検査により、より正確なAMH値を把握することが可能になり、その結果に基づいて最適な治療法を選択することができます。

また、従来「AMHの値は一度減少すると増加することはない」と考えられていましたが、高感度AMH検査を用いることで、AMH値が変動するケースがあることが分かりました。
初診時に低い値であった方でも、その後の検査で10倍以上上昇した例もあります。

☆当院の治療法とAMHが低い場合の可能性
AMH値が低い場合でも、当院では「卵巣高刺激法(ローズ法)」を用いることで採卵や胚の凍結、さらに臨床妊娠に成功した実績があります。
定期的に高感度AMH検査を実施し、その結果に応じて最適な巣高刺激法を施行することで、採卵の可能性を高める取り組みを行っています。

私たちは、患者様お一人お一人の状態に合わせた治療を提案し、妊娠への道を一緒に探していきます。
不安なことや疑問があれば、どうぞお気軽にご相談ください。