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治療成績について

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当院における治療成績

当院における、以下それぞれの症例の治療成績を掲載しております。

2023年12月更新

妊娠率(胎児の心拍が確認できた率)※単一融解胚移植後の臨床妊娠率

▼対象者:2014年4月~2023年8月当院にて体外受精・顕微授精を施行し、以下のタイミングで別周期にて融解胚移植をされた方

胚盤胞:受精後5~6日目に移植

単一融解胚移植後の臨床妊娠率(胎児の心拍が確認できた率)
当院における単一融解胚盤胞移植後の
臨床妊娠率
  当院(良好胚盤胞のみ) 当院(胚盤胞TOTAL) 全国平均
~35歳 65.2% 60.5% 51.2%
36~39歳 53.5% 45.8% 41.6%
40~42歳 41.8% 34.7% 29.9%
43歳~ 34.6% 19.4% 14.3%

初期胚:受精後2~3日目に移植

初期胚:受精後約2~3日目に移植
当院における単一融解初期胚移植後の
臨床妊娠率
  当院(良好初期胚のみ) 当院(初期胚TOTAL) 全国平均
~35歳 37.0% 36.1% 30.8%
36~39歳 27.0% 26.1% 24.8%
40~42歳 16.0% 14.8% 15.5%
43歳~ 4.2% 3.1% 4.8%

旧データ

Ⓐ 一般不妊症例

  • 対象者:当院で体外受精を行った一般不妊の方
  • 対象期間:2015年~2016年

タイミング療法・人工授精を行うも妊娠に至らなかった(初診の方の概ね80%以上がこれらで妊娠成立します)、初回体外受精施行時41歳未満の一般不妊症例52名

  1. 対症例あたりの累積卵胞発育率:100%
  2. 対卵胞発育症例あたりの累積胚凍結率:100%
  3. 対卵胞発育症例あたりの累積臨床的妊娠率:94%
  4. 対胚凍結症例あたりの累積臨床的妊娠率:94% (2018年3月現在)

  • 累積~率:治療された方のうち最終的に目標に到達した方の割合
  • 臨床的妊娠:妊娠反応が検出されたのち、胎嚢を確認するところまで至った妊娠

 

 

すなわち当院では、難治性の不妊症とされる早発卵巣不全(POI)に対し培ってきた高い知識、技術を一般不妊の方に駆使することで、一般不妊の治療に関しても、大変高い成功率を得ていることがわかります。

Ⓑ卵巣機能低下(DOR) 症例

  • 対象者:初診時41歳未満、AMH(卵巣年齢)測定感度(0.16ng/ml)以下の方
  • 対象期間:2015年

治療周期あたり30%以上の卵胞発育頻度(10治療周期当たり3周期以上で卵胞発育)を示した症例48例に対する当院独自の卵巣高刺激を中心とした治療成績

  1. 対症例あたりの累積卵胞発育率:100%
  2. 対卵胞発育症例あたりの累積胚凍結率:85%(体外受精症例のみ)
  3. 対卵胞発育症例あたりの累積臨床的妊娠率:61%(タイミング療法・人工授精含む、胚移植未完遂症例除外)
  4. 対胚凍結症例あたりの累積臨床的妊娠率:65%(胚移植未完遂症例除外)※2018年3月現在

 

PFC-FD(PRP)療法

Ⓒ 1年以上無月経期間を有する重度早発卵巣不全(早発閉経/POF/POI)症例

  • 対象者:初診時41歳未満の早発卵巣不全(定義:FSH 30mlU/mL以上、3か月以上無月経40歳未満発症)のうち1年以上無月経期間を有する重度POFの方
  • 対象期間:2015年

54例に対する当院独自の卵巣高刺激を中心とした治療成績(全症例体外受精を選択)

  1. 対症例あたりの累積卵胞発育率:50%
  2. 対卵胞発育症例あたりの累積胚凍結率:88%
  3. 対卵胞発育症例あたりの累積臨床的妊娠率:61%(胚移植未完遂症例除外)
  4. 対胚凍結症例あたりの累積臨床的妊娠率:79%(胚移植未完遂症例除外)※2018年3月現在

 

 

  • 胚凍結に至った症例     初診までの無月経期間 平均 4.1±1.1年
  • 胚凍結に至らなかった症例  初診までの無月経期間 平均 7.4±1.2年

 

DOR症例・重度POF症例ともに、当院独自の治療法により、従来では考えられない卵胞発育率・胚凍結率が得られ、また、妊娠成立に至ることがわかりました。このデータより、卵子残存数は同年代の女性と比べ圧倒的に少なかったとしても、良い環境で卵胞発育さえ得られれば、卵子の質は同年代女性と同等程度に保たれていると考えられます。

重度POFのデータより、自然月経消失より概ね4~5年程度までは、卵子を取り出すことができ、胚凍結および妊娠成立に導くことが可能であることがわかりました。また月経停止からの期間が長くなればなるほど、胚凍結に至る確率、すなわち妊娠に至る確率は低下することがわりました。

DOR症例は、重度POF 症例と比べ、症例当たりの卵胞発育率・治療周期あたりの卵胞発育頻度は高いものの、その他のデータに大きな差を認めず、また一般不妊の結果に近づきませんでした。このことは、DOR群の中には、単に残存卵子数が少ないだけでなく、我々の治療法で改善し得ない別の不妊要因をもった症例が含まれていることを示唆します。すなわち、DOR症例は単なるPOFの初期として理解できない何らかの要因をもっているものと思われます。こうした見解はこれまで世界中どこの不妊治療施設でももっていませんでした。当院ではそうしたDOR症例の病因分析を急ぐとともに、ランダムスタート法(2017年日本生殖医学会にて発表)などを取り入れた新しい治療を試み、一般不妊に準じた治療成績となるよう、治療法の開発・改良を行っています。

上述してきたように、当院の様々な試みにより、これまで不可能と考えられていたPOF不妊に対する治療の道が開けつつあります。さらにその手前のいわゆるDOR症例は、単なる軽度のPOFと考えられる症例ばかりではなく、他の要因によってさらに妊娠しにくくなっている可能性があります。これはこれまで気づかれなかった新しい見解であり、当院ではこれらの要因の分析を鋭意行なっております。

いずれにせよ、AMH値が低下して、お子さんのできにくい方は、出来るだけ早期に当院を受診されることをお勧めします。